金融機関の日常~資料編


このシリーズでは、私の本業である金融機関での日常をつづっていきます。

同業の方と情報交換をする機会があるのですが、色々と話を聞いていると、どこも似たような感じで、恐らく国内金融機関というのはどこも同じことをやっているはずです。

記念すべき第一回目は金融機関における資料についてです。

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パワポで社内資料を作成

会社としての年度の計画等はパワポで作成されます。

入社してから初めて知ったのですが、金融機関のパワポってすごい詳細に色々と書くんですよ。

私の世代ってジョブズとかのプレゼンで用いられるパワポのイメージが強くあります。

いわゆる1スライド1メッセージというやつです。

1スライドには本当に1つのことしか書いてなくて、当然余白だらけです。

だってプレゼン用なんだからギトギト書いても読まないし、そもそも見えない。

基本的にプレゼンターがすべて話します。

ところが国内金融機関のパワポはどうでしょう。

色は派手なレインボーカラー

フォントは極太ゴシック

文字サイズは老眼のおっさんでも見えるように特大サイズ

読めば全てがわかるよう、とにかく詳細に色々と書きまくります。

注釈なんかもあったります。

えぇ、プレゼン用の資料ではなくただの会議資料です。

それならワードでよろしいやんって感じの作りこみなのです。

パワポを作ったことがある人があるならわかると思うのですが、意外と面倒なんですよね、パワポって。

調整とかがすごく面倒。

作成時間??

当然社内調整とか細々した役員の好み、書きぶり等で一か月以上余裕でかかりますよ。

作成者の年収??

余裕で1,200万オーバーの人です!

てにをは句読点誤字脱字、社内資料でのミスは許されない!

世の中には間違いがあふれてます。

天下の日経新聞でさえ誤字脱字をたまにみます。

記事を書くことを売りにしている雑誌でさえ頻繁にみます。

Yahooニュースとかのネット記事なんておしてしかるべしです。

でも別に誰も何も言いません。

それどころか気づいてすらないんじゃないですかね。

誰もそんなことに興味はないし、間違ってたとしても多少のミスであれば脳は賢いので補完できるのです。

しかし、国内金融機関の社内資料では、ちょっとのミスも許されません。

てにをは、句読点、ページ割のミス、注釈ナンバーのミスなどなど

大勢に影響のない些細なミスであっても許されません。

ミスをしようもんなら、

「こういった気の緩みが大きなミスにつながるんだ!日々大金を扱う人間としての自覚を持て!」

と最もらしい叱責を食らいます。

「いや、物事には強弱ってありますやん、所詮社内の人間しかみない社内資料に全力注いでも意味ないですやん」

なんて口が裂けても言えません。こんなこと言おうもんなら

「平成入社は兵隊」

といわれます。

お前誰やねんって感じ。創業者でもないのにこの言いっぷり、逆に清々しい。

話を戻すと、些細なミスも許されないのは分かった。

ではどうやってその些細なミスを潰していくのかということが気になると思います。

えぇ、お察しのとおり単純な人海戦術です。

部署の所属員全員で資料に目を通し、間違いがないかを探していくのです。

まぁそれならありそうな話だと思う方もいるかもしれませんが、驚くことなかれ。

年収1000万オーバーが大半を占める部署の全員が見るわけです。

一部には2000万前後の人もいます。

そんな人たちが修正するたびに毎回1時間ちょっと資料を読み込んでいくわけです。

その絵といったら、圧巻ですよ。

どこに金かけてるんだよといいたくなります。

そりゃ労働生産性もあがらんわ。

ここ点線の方がみやすいんちゃう?(役員の指示)

役員が出席する会議に提出する資料は担当の役員に事前に見せに行きます。

その時にも色々と書きぶり等についてだめだしされます。

これについてはしょうがない、好みの問題だから。

でも一番驚いたのが、

「ここは線じゃなくて点線の方が見やすいんじゃないか?」

という指摘。

もはや無の境地に至ります。

ちなみに実際の会議の議事録によると、会長でさえこの文言はもっと平易な書きぶりにするようにという全く意味のない指摘のみで発言を終わる始末。

国内金融機関の会議で決まることなって一切ありません。

だって事前にすべて決まっているんだから。

まとめ

嘘か真か信じるか信じないかはあなた次第

といいたいところですが、全て事実です。

そして私は日々こんなことをしてお給料をもらっています。

こんな風に考える時もあります。

「思考を止めて、言われたとおりにやっていればこれほど楽な仕事はないんじゃないか。営業なんかは毎月のノルマがあって〆切ごとに詰められてボロボロになってるんだぞ。それよりかは幾分ましなんじゃないか」

以上、色々と書いてきましたが、これだけは言えます。

金融機関の給料はいい!

商社とかよりは低いけど、激務度を考慮すれば、コスパは最強!

就活生の参考になれば幸いです!

次回は会議編です。

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