明治安田生命の『じぶんの積立』がすごい


昨日ネットサーフィンをしている折に偶然、明治安田生命のじぶんの積立という保険を見つけました。いつでも100%以上の返戻率という、うたい文句に引き寄せられるようにクリックして詳細を見ていると衝撃を受けましたので紹介しておきます。

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じぶんの積立の商品内容

いわゆる貯蓄型の保険で、死亡給付金が解約時の返戻金相当(簡単にいうと通常の死亡時は積立額だけ払い戻すということ)となっており、これでは保険としての機能がないので、災害による死亡の場合は積立額の1.1倍の額を支払いますよというものです。
たぶん後者の気持ち程度の保険の機能は、金融庁の認可を取り付けるために後付けされたものではないかと思います。

ここまでだと特段すごくありません。ただの保険です。すごいのはここからです。
なんとこの保険、いつ解約しても払い込んだ保険料がまるまるかえってくるのです。
極端な話、1月に加入して掛金を払い込んで2月に解約したとしても1月に払い込んだお金が戻ってきます。

いつ解約しても100%以上の返戻金がある、それのどこがすごいの?

銀行預金の感覚からすれば当たり前のことですが、保険というものは支払う保険料の中に保険会社を運営するための事務コストも含んでおります。例えば、5,000円の保険料だとすれば、4,000円は保障のためのお金で、残りの1,000円は運営手数料と言った具合です。

一方で、日本の会計基準上、保険会社は新契約を獲得した際には、最初の時点で一括して運営費用を計上しなければなりません。図解すると下記のようなイメージです。
cost

従って、通常であればその運営費用を回収して利益を上げるためには、一定年数以上契約してもらわないといけません。だいたい保険会社の運営費用の元が取れるまでに2年程度かかるそうです。つまり契約して2年以上たってようやく保険会社としては利益が出てくるのです。
逆に言うと、2年以内に解約されてしまうと保険会社としては赤字になると言うことです。

端的に申し上げて、明治安田生命のじぶんの積立は、赤字覚悟の商品ということです。
往々にしてそうですが、企業が損をするということは消費者が得をするということです。

どのように利用するのか?

積立による利率を期待するわけではありません。
ずばり言うと、生命保険料控除を利用するのです。
当然「じぶんの積立」は『保険』なので、生命保険料控除が適用されます。
具体的にいうと生命保険料控除の中の一般生命保険料控除が適用されます。

そして掛金を月1万円にして、フルで控除の額を使います。
この場合の控除額は
所得税控除額:40,000円
住民税控除額:28,000円となります。

所得税率は人によりけりですが20%としましょう。住民税率は10%ですので、年末調整による還付金は、40,000×20%+28,000×10%=10,800円となります。
間違ってるんじゃないかと錯覚してしまうほど高利回りの商品です。

ただし、上記を使うには一般生命保険料控除の枠をまだ使ってないことが条件になります。
普通の生命保険に加入していれば大体この枠は使っていますが、保険嫌いの人で全く生命保険に加入していない人であれば、問題ありません。

保険会社的に何がいいの?

間違いなくドアノック商品です。要は顧客との接点を作るための商品です。
特に若年層に対してこの商品で接点を作り、保険会社にとっては収益性の高い保障性商品へとアプローチしていくための商品であることは間違いありません。

従って資産運用したいという方は、このじぶんの積立だけ加入して、保険会社からのアプローチは無視すると言うことをおすすめします。笑

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