経営強化法における税制措置・金融支援活用の手引きが更新されております


先日の記事で紹介しました中小企業等経営力強化法

どういう法律だったかと申しますと、策定された指針に沿った取組については一定の税制優遇措置ないしは金融支援を施しますよという法律です。

2017年11月24日に税制措置・金融支援活用の手引きが更新されておりますので、今回はこの手引きについてご紹介します。

この手引きの他にも2017年11月6日に経営力向上計画策定の手引きも更新されていたりと結構親切な対応です。

行政文書にもかかわらず、非常にわかりやすい内容になっており、自分で計画の策定から申請をするという人には必読の手引きになりますので、太陽光発電投資をお考えの方で、このあたりの申請を自分で行うという方は必ず目を通すようにしましょう。

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税制措置・金融支援活用の手引きを読む!

今回私がもっとも目を通したところは申請から認定にあたってのスケジュールです。

このあたりのことは業者の方からも話を聞いていたのですが、如何せんそっち方面には疎い担当者でしたので、色々と聞いても曖昧な表現でした。

私が「自分で申請するのってやっぱり難しいんですかね?」ときいても「専門の税理士さんに依頼すれば10万以上かかる内容ですからね」と何とも言えない返答であったりとか、スケジュール観とかを聞いても明言は避けるような言い方です。

私からすると、税理士が10万ちょっとでやってくれる内容なんだから、逆にポイントさえ押さえれば、ほぼ100%認定されるのでは?と思ってしまいます。だって税理士みたいな専門家が、そういう単純な申請関係の仕事をミスったら、今のご時世だと仕事なくなりますからね。そのリスクを10万ちょっとで負うということはよほど簡単な申請業務なんじゃなかろうかという邪推です。笑

まぁしかしそれは別にその担当の方が悪いわけではなく、この手引きが更新されるまでは、スケジュール観とかが明記されているものがなくて、経験則しかなかったからです。

とりあえずは設備取得から60日以内に計画認定を受ける必要があるということのみでしたので、それを過ぎてしまうとどうなるといったことはだれもわからない状態でした。

しかし逆を言えば、役所の対応においても明文化されていないのである程度柔軟にやっていたのかもしれません。

何はともあれ今回の手引きの更新で原則のスケジュールと例外のスケジュールが明確にされており、どうすべきということが明らかになったのは、個人で申請する場合には非常にありがたいです。

では早速見ていきます。

【原則】経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得

手引きでは、経営力向上計画の認定を受けてから設備を取得するのが原則と明言されております。

通常の製造業等であれば、そりゃそうかという話なのですが、太陽光発電事業の場合は、正直難しいというのが本音のところです。

というのも、税制優遇を受けるにあたって工業会から証明書の発行を受ける必要があるのですが、それについては太陽光発電所を取得して初めて発行されるからです。

つまり太陽光発電事業の場合は、設備取得後に経営力向上計画の認定を受けるという通常の流れとは逆になる場合がほとんどなのではと思います。

もちろん、太陽光発電事業に参入するにあたり最初からきっちりこのあたりを調べつくして、まずは経営力向上計画の認定を受けて、融資申請、設備取得と動くのが一番得するやり方なのでそうした方がいいのは言うまでもありませんが、後述する理由でちょっと難しいのではなないかと思います。

次に例外の場合、つまり多くの太陽光発電投資家はどうすべきかというのを見ていきます。

【例外】設備取得後に経営力向上計画を申請する場合

通常の太陽光発電投資家は、設備取得後に経営力向上計画の申請をする場合がほとんどだと思います。

その場合気になるのが設備取得後いつまでに申請・認定を受ける必要があるのかという点です。

ずばり設備取得日から60日以内に経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

ここで大事なのは、60日以内に認定を受ける必要があるのは、経営力向上計画の認定ということです。

どういうことかというと、60日以内に経営力向上計画の認定を受けていさえすれば、税制適用の申請は60日後でも大丈夫ということです。

設備を取得した場合に工業会等から発行される証明書を受領するまでに結構かかります。実は私もこの部分についてはまだ受領しておりませんので、受領次第税制適用の申請をする必要があります。

次に出てくる問題は、果たしてこの「税制適用の申請はいつまでにすればいいのか」ということと、「過ぎるとどうなるのか」ということです。

業者の担当者の方は明言を避けたがっているように感じたのですが、今回の手引きの更新でしっかりと明記されております。

税制適用の申請については、設備取得した年の12月31日までに認定を受ける必要があります。

もしそれを過ぎた場合は、減税の期間が2年間になってしまいます。

要は年末近くに設備取得するのは、この優遇税制を受ける観点からすると非常に損ということです。

当然業者の方はそんなことは教えてくれないでしょうから、この辺りは投資家側がしっかり知識をつけて交渉するようにしましょう。

そもそもなぜ太陽光発電事業は例外の方になりがちなのか?

上述した通り、太陽光発電事業でも原則のほうで行く場合もあるかとは思いますが、非常にまれなケースなのではないかと思っています。

しかも初めて太陽光発電事業に投資しようとする場合はなおさらです。

その理由というのは主に2つあると思っています。

1つは、業者に依頼する場合に結構な額がかかるので、融資承認、設備取得ができるかどうかもわからない段階で、そこを払うことができるかという点です。

私のように自分で申請する場合は別ですが、ほとんどの人は良くわからないから税理士に依頼すると思われます。

そもそも設備取得前に経営力向上計画の認定を受ける目的は、税制優遇措置を受けるためというよりは、金融支援措置、具体的に言うと日本政策金融公庫の優遇金利を受けるためですので、公庫の融資承認が決まる前の段階で、10万ちょっとを支払う勇気があるかといわれると、初参入の場合や、公庫と取引経験がない場合は難しいといわざるを得ないからです。

2つ目の理由は、業者の方がそもそも経営力向上計画の認定を受けることで金融支援措置を受けることができるということを言わないからです。

当然業者の方も、税制優遇措置の方はしきりにアピールするのですが、金融支援措置の方については一切触れません。少なくとも私が面談した業者の方で、金融支援措置の方まで教えてくれた人は一人もいませんでした。

それは何故なのか?

ずばり契約が遅くなるからです。

太陽光発電投資の場合、信販会社を利用する提案を受けるのが一般的です。

その方が融資審査のスピードが段違いに速いため、営業する方からしたら早く答えが得られます。

一方で金融支援措置を受けることができるなんて言おうものなら、大概の人はまずは経営力向上計画の認定を受けて、公庫の融資審査も受けますとなります。

そっちの方が絶対に低利でお金を引くことができますから。

そうなるとすべての答えが出るまで1か月半ぐらいかかります。

その間その案件については動かしにくくなるので、業者側からするとあまりやられたくないわけです。

公庫がダメだから、じゃ信販で行きましょうとなればまだいいですが、時間が空いて萎えてしまってやっぱりいいですとなると、業者側からしたら完全に無駄になるわけです。

こんなわけで業者の人は、経営力向上計画の認定を受けることで、金融支援も受けれますといわないのです。

そうなると、このことに気づくのは税制優遇措置の申請をする段階になってから、つまり設備を取得してから計画認定を受けるという例外の方に行くというわけです。

私もその例外の方になったわけなのですが、社会は情報を持っているものが有利になるというのを痛感した次第でした。

これから太陽光発電投資を考えている方は、ぜひこのあたりも参考にしつつ検討いただければと思います。

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