私大教連が日本学生支援機構を批判してるってよ


職場で回覧されていた『金融財政事情』に面白い記事がありましたので、それについて書いてみたいと思います。

内容は、出身大学ごとの奨学金返還の延滞データを公表した日本学生支援機構(以下、支援機構)を、日本私立大学教職員組合連合(以下、私大教連)が抗議したというものです。

以前に雑誌か何かで見たので、延滞データが公表されているのは知っていましたが、それに対して私大教連が抗議していたというのは、この記事で初めて知りました。

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そもそも奨学金延滞率データとは?

奨学金は基本的に借りているものですので、時が来れば返さなくてはなりません。

つまり奨学金延滞率データとは、返済時の延滞率を公表しているデータです(文字通りですが)

ただ、面白いのは出身大学毎の延滞率が公表されていることです。

上位に来るのは名前も聞いたことがないような大学で、下位になればなるほど有名大学になっています。

大学受験をちょっと本気でやった人であれば一見しただけである法則に気づくはずです。

そう、偏差値ランキング表の下位から順に並べたような感じになっているのです。

オブラートに包まずに申し上げますと、偏差値の低い大学ほど奨学金の返済を延滞しているということです。

延滞データを公表した支援機構の目的は?

建前上は、「大学等が確実かつ効果的に奨学生に対する指導を行うため等の情報提供の一環」とされているが、本音は進学先を選ぶ人、つまり受験生およびその親への情報提供を行い、無駄な大学を淘汰していくことでしょう。

ざっくりいうと以下の通り。

・奨学金を返せない=就職できない

・データをみた受験生および親は、延滞率上位の大学には行かない

・延滞率上位の大学は閉校へ

また、データを公表することで、上位にある大学には在学中の指導を徹底するように促す狙いもあるそう。

平たく言うとこうです。

低偏差値の大学は消えろ。

私大教連の言い分

奨学金の返済を延滞する理由については、「卒業後の経済的困窮であり、延滞の主たる原因が非正規雇用の増大など雇用環境の悪化による低収入や、返還者やその家族の諸事情による生活困窮にある以上、『在学中の指導を徹底する』ことでの延滞防止効果がごく限定的であるのは当然である」と述べているそうです。

平たく言うとこうです。

経済的困窮の原因は、雇用環境の悪化という社会構造上の問題だから我々大学側は何もできないっすよ、お手上げー\(^O^)/ 、だから奨学金延滞は大学に原因があるかのようにとられかねないデータは、学生ちゃんを確保できなくなるから公表すんな。

突っ込みどころ満載の支援機構と私大教連のやりとり

支援機構の理事長

「大学も奨学金によって経営の安定という恩恵を受けているステークホルダー」

「奨学金は国民の皆様が納めた税金に基づく公的資金が原資になっている以上、大学にも一定の説明責任があるはず」

私大教連中央副執行委員長

「直接抗議した際は、担当者からそうした説明はいっさいなかった。あくまで機構は大学に協力をお願いしている立場で、情報を公開すれば協力関係が密になるのではないかという趣旨で公開したとのことだった」

担当者が説明しなかったのは、そんなことは考えたら当たり前だからでしょう。

まさか奨学金が勝手に湧いてでてくるお金だとでも思っているのだろうか。

思うこと

確かに私大教連の言い分には納得できる部分はあります。

そもそもの経済的困窮が、非正規雇用の増加や労働環境悪化による低収入化という社会構造に原因があるので、そこは大学側にどうしようもないというのはそのとおり。

本来大学というのは、稼ぐ能力を養成する機関ではなく、専門的な高等教育、要は学問を探求する場なわけですから、在学中の指導でどうにかなるもんでもありません。

でもね、じゃしょうがないよねとはならないでしょ。

そんなこと言いだすと、君たち本当に高等教育といえる水準の講義やってる?ってなる。

知ってるよ、分数教えてたり、高校の内容教えてたりするの。

いや百歩譲って高校の内容ならまだいい、高校の内容なら名前的に高等教育って言い張れそうだし。笑

ひどいところになると中学の内容教えてたりしますやん。中学とか頑張っても高等教育じゃないやん、「中」ってついちゃってるし。

また経済的困窮につながる社会構造には、別に延滞率上位の大学の学生だけじゃなく、延滞率下位の大学の学生も同様に曝されている。

私大教連の方のロジックでいくと、目に見えるレベルで大学毎に順位が付くことなんてないはずです。

でも実際はついちゃってるわけです、明確な順位が。

向き合わなきゃ現実と。

金融庁の森長官の言葉をアレンジするとこうなる。

毎月たかだが数万の返済ができない社会人を輩出するような大学が、社会的に存続している価値はありますか?

断言できる。絶対ないと。

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