NISAの本家イギリスではLISAが始まります


国際金融規制の適用が日本の金融機関にも待ったなしという昨今において、例によって例の如く私の勤務先にも金融庁経由で様々な国際機関からストレステストのような資料作成の依頼が舞い込んできております。

そんな感じの仕事をしているので最近金融庁のホームページも良く見るのですが、「家計の安定的な資産形成に関する有識者会議」という面白そうなことをやっているのに目が留まりました。

それによると、米国や英国では投資についての税制優遇により金融資産が増加し、財産所得が家計所得に貢献しているとのことで、日本においても資産形成を促すためには政策的な後押しが必要との結論を導いております。こういったロジックにより積立NISAが誕生したわけです。

さて、NISAの本家イギリスでは2017年4月、つまりもう間もなくですが、国からボーナスがもらえる積立制度、LISAが始まります。

少しでも私たち個人投資家の投資環境が良くなることを願ってこの制度を紹介したいと思います。

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国からのボーナスつきの積立制度、LISAとは?

LISAとは、18歳から40歳までの若年層を対象とした、年4,000ポンド(約56万円)までの投資について非課税で運用ができる口座のことです。

これだけだと日本の積立NISAと変わりませんが、LISAのすごいところは、各年に積立てられた金額の25%がボーナスとしてLISA口座に支給されることです。つまり4,000ポンド積立てると1,000ポンドが国から支給されるのです!

日本のように非課税にするだけでなく、ボーナスを支給するあたりが、良くも悪くも自助努力を促しているという本気度を感じます。加えて18歳から40歳と対象を若年層にしているあたり政治家の本気度を伺えます。イギリスと日本で置かれている状況はそう変わらないはずなのに、票数の多い高齢者のことばかり気にしている日本の政治家には、こんなこと口が裂けてもいえないんじゃないでしょうか?

LISAのデメリット

非課税で、ボーナスももらえる・・・何かデメリットはないのか?

当然あります。まぁ当然といえば当然ですが資金の引き出し制限です。
でもこれだけです。

具体的な引き出し制限は下記の通り。
・60歳以降の老後資金
・初めての居住用住宅の購入資金

えっこれだけ?っという感じですか、これだけです。
イデコでさえ60歳まで引き出せないことを考えると、イギリス政府の本気度は並々ならぬものがあると言えそうです。というかイデコより引き出し制限は実質ゆるいじゃんという感じです。

最後に

私もイデコを初めて知った時はその制度の素晴らしさに感動すら覚えました。しかしこういった他国の制度を見てしまうと日本はまだまだだなとも思います。自分たちの投資環境をよりよくしていくためには、LISAのような優れた制度を我々自身がもっと知り、発信していく必要があると痛感した次第です。

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